こんにちは、ひでです。
8月15日……終戦記念日ですね。
私は右でも左でもないつもりだけど、現在の平和な日本で育った一人の人間として、過去の人々の苦労を思うと自然と頭が下がります。
黙祷。
さてこの日は、サンタ・カタリーナ島の北部へと行ってみました。
私としては頑張ったほうで、午前中に行動を開始したのですが、またしてもローカルバスの乗り継ぎに手間取り……あと、私が考えていた以上に、この島は広い!
数年前に前職リック社の出張取材で、沖縄をレンタカーで回ったことがあるんだけど、もしかしたら沖縄本島に近いくらいの広さがあるかも?
そのために島の北部へ行くのには予想外に時間が掛かり、またしても昼過ぎの到着となってしまいました。
でもまぁ、それはいつものこと!苦笑
急いで、行きたかった場所へと向かいます。
ローカルバスの終点だと思われる小さな停留所で降りて(オフシーズンだからか、乗客は私しかいませんでした)細い路地の急坂を上がっていくと、こんな遺跡がありました。
併設されたプレートには「BATERIA」と書いてありました。
ポルトガル語の辞書で調べると「バッテリー、電池」という意味のほかに、「砲台」という意味があります。
ここは砲台の跡地。
いきなり物騒なものが現れましたが、私が島の北部へ来たのは、海沿いの要塞を見るためです。
海沿いの要塞は先日サルバドールでも見ましたが、ファンタジーには欠かせない要素の一つ。
いくつ見たって、取材しすぎってことはありません。
その要塞へと直行する前に、少し脇道に逸れて、海岸へ行ってみました。
絵に描いたような寂れた漁村という感じで、私のほかには地元の人が数人歩いているだけ。
夏のシーズンになると、この海岸にも海水浴客とか来るのかな?
でもそんなありふれた光景よりも、こういう風景のほうを見られてよかった。
……っと、寄り道してる間に、ただでさえ少なかった時間がさらに少なくなってしまった……。
いざ要塞へ!
これが入口。
飛び石の通路を歩いていきます。
サルバドールのバーハ要塞が今も灯台として稼働しているのとは異なり、こちらはもう完全な遺跡。
でもそれゆえに、古い石垣からは歴史を感じることができます。
ところどころに矢狭間もあったり。
写真は撮り忘れてしまいましたが、石垣に沿って歩いて行くと受付があり、その先へ進むためには入場料を支払わなければなりません。
さらに私が行ったときにはもう閉館時間が差し迫っていて、残り15分しかありませんでした……。
そこで受付の兄ちゃんは「もう時間もないし、入るなら学生料金でいいよ」とオマケしてくれました。
オブリガード!
要塞の内部には、錆び付いた砲台が。
大陸のほうを向いています。
サルバドールの要塞にもあった、物見の台。
今は目の前に木が生い茂っているので、中に入っても何も見えません。
要塞は、上へと続いています。
これが本丸……城ではないから、司令室とでもいうのかな?
まぁ要はメインの建物です。
ここから先ほどの砲台を見下ろしたところ。
物見の台の方角は、こんな感じ。
小高くなっていて、周囲がよく見渡せます。
建物の中にも入ることができて、当時の様子をあらわす展示物がありました。
軍服はこんな感じだったようです。
いかにも海兵という感じですね。
軍の様子だけでなく、フロリッパの風俗についての展示もありました。
レース編み。
これは現在も続いているフロリッパの伝統工芸だそうです。
私はあんまり興味がなかったので探しませんでしたが……今もレース編みの工場とかあるんだろうか。
建物はいくつかあり、そのうちの一つは教会になっていました。
貴重な要塞内のスペースをけっこう広くとっています。
やっぱり宗教のチカラは、ここでも強い。
にゃんこもいました。
こんにちは。
時間がなくて駈け足での見学になってしまいましたが、遺跡内はあんまり広くなかったので、すべての建物内をちゃんと見ることができました。
逆に、余裕を持って来ても、そんなに見どころの多い場所ではありません。
とはいえ、要塞の雰囲気を肌で感じることができたので、個人的にはとても有意義な時間でした。
来てよかった。
さてこの日、私がサンタ・カタリーナ島の北部へとやってきたのは、この小さな要塞を見るためだけではありません。
このあたりは、ブラジルでも希有なセレブ・タウンでもあるのです。
ブラジルでも有数の富豪の邸宅や別荘が集まっているんだとか。
要塞を出てしばらく歩くと、着きました。
立ち並ぶ豪邸!
……実は、来るときにバスの中から見えてはいたのですが……笑。
これはそのバス通り沿いの様子。
ここからさらに道を一本入ると
さらにグレードの高そうな豪邸が、ずらりと。
これはちょっとした美術館のような……。
ガレージがある邸宅があれば
クルマを外に出している家もあります。
いやー、壮観です。
今まさに建築中の家も。
これはどんな建物になるんだろう。
……と、数々の豪邸の写真を載せてみましたが。
これらの写真に「違和感」を覚えた方、いますか?
日本人だとあんまり感じないかなー。
でもこれは、ブラジルでは「ありえない光景」なんです。
これだけ「金持ちの家です!」と声高に主張しておきながら、なんとこれらの邸宅には、塀もなければ柵もない!
日本よりも治安の悪いブラジルでは、一般住宅でも高い塀を巡らして、鉄格子の嵌まった重い扉があるのが普通です。
ましてこんな豪邸であれば、なおさら厳重な警備が必要なはず。
にもかかわらず、このセレブ・タウンはこんなに無防備な姿をさらけ出しているのです。
ここフロリッパは、ブラジルでも珍しいくらいに治安の良い場所として知られており、だからこそこんな街が生まれたと言われています。
繰り返しますが、これはブラジルではかなりスゴイこと。
正直、私も実際に来てみるまでは半信半疑だったけど、本当にこんなところがあるんだなー。
ちょっとビックリ。
昔は要塞がつくられるような戦いの場だったのに、いまは平和なセレブ・タウン。
奇しくも日本の終戦記念日であるこの日、こんな場所に来られてよかったと思いました。