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400年閉ざされていた修道院

こんにちは、ひでです。

前回書いたように、アレキパにある「サンタ・カタリーナ修道院」というところへ、たむと行ってきました。
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ここは1579年にできた修道院で、アレキパの街の中心部で2万㎡もの敷地を有しているにもかかわらず、ずっと外界から隔絶された場所でした。
約40年前の1970年まで、およそ400年間もの長きにわたって閉ざされていたんだそうです。

この中では、多くの修道女たちが清貧な生活を送っていました。
一度ここに入ると、一生出られなかったとのこと。
さらに今もまだ、区画の一部では修道女たちが当時と変わらずに暮らしています。

400年閉ざされていた修道院での生活とは、いったいどんなものだったのでしょうか。
写真(と私の中途半端な知識ゆえの妄想。笑)を通して、見ていきましょう。

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中に入ると、いきなり「SILENCIO(静かに)」の文字が。
背筋が伸びる思いです。
ここは、たむと騒いでいいような場所じゃない……わちゃつき禁止!笑

2万㎡と言われてもあまりピンと来ませんが、敷地内はとても広かった。
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ブルーの壁が美しい、オレンジの樹が生えた庭園。

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白い壁の場所があったり、
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赤い壁の場所があったり。

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もはや小さな街のような感覚の広さでした。

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一部の建物の上には、登ることができます。
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修道院の敷地内を俯瞰できるほか、外の街の景色も見えます。
外に出ることを禁じられた修道女たちは、どんな思いでこの風景を見ていたんだろうか。

敷地内の建物は、その多くが見学者に開放されていて、中に入ることができます。
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もっとも多いのが、修道女の住んでいた部屋。
当時の暮らしのまま、あるいはそれを再現して、展示されています。
壁をくり抜くようにして置かれた寝台のほか、椅子や棚などの調度類が置かれているのが一般的なつくりです。

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修道女の方が、部屋にいらっしゃいました!
……と思ったら、これは服を着せて向こう側を向かせた人形。笑
でも、当時の雰囲気を思わせます。

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衣服や身の回りの品々を入れていたであろう、つづらのような箱のある部屋も。
ドラクエなら、まっさきに開けに行くところですね。笑

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また多くの部屋には、このような聖人の像や
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十字架などが置かれています。
修道女たちは、朝起きたとき、夜眠るとき、これらに祈りを捧げていたのでしょう。

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ひとつ、気になった部屋がありました。
像や十字架の代わりに(?)絵が描かれている部屋だったのですが……この絵、よく見てみると
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三角形の中に目が描かれています……これは、秘密結社フリーメイソンの象徴!?
こんな閉ざされた修道院の中にまで、秘密結社の手が……!?

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ほかにも、こんなマガマガシイ雰囲気の絵が掛けられた部屋もありました。
人間の頭蓋骨を置いたテーブル、キリスト像を無造作につかみ上げる男……なんだか冒涜的な雰囲気を感じてしまうのは私だけでしょうか。
シャレコウベに立てかけられた本は、聖書なのか、それともネクロノミコンやエイボンの書のような呪われた魔道書なのか……!?
と、妄想が膨らみ続けます。

……っと、すみません、私の妄想はさておき、話を修道女たちの生活に戻しましょう。笑

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居室の奥には、かまどが設置されています。
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かまどの周りに付着した真っ黒なススが、実際に使われていたことを雄弁に物語っています。
現代風に言うと、キッチン付きの部屋、ということになるでしょうか。
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大きな共同キッチンと思しき建物には、部屋の中に井戸が掘られていました。
これもドラクエなら、ソッコーで潜っていくところですね。笑
きっと、小さなメダルが落ちてる。
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煮炊き用の道具が置かれた部屋もありました。

こうしたキッチンでは、自分たちの食べるもののほかに、こんなものも作っていたようです。
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薄い焼き菓子で、せんべいのようなもの。
修道院の紋章や、キリスト像の焼き印がおされています。

きっと「サンタ・カタリーナのおせんべい」みたいな感じで外部に売ったりして、お金に変えていたんじゃないかな。
この修道院がいくら「小さな街のように広い」とはいっても、この中で100%自給自足するのは無理がある。
外部から生活物資を調達するためには、キリスト教信者からのお布施などのほかにも、資金源が必要なはず。
この焼き菓子は、そうした資金源の一つだったのではないでしょうか。

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敷地内には、こんなふうに植物を育てている家庭菜園的な庭園もありました。
「資金源」という視点で見ると、ここで育てたハーブなどを売ったりもしていたかも。

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ちょっとガラスが反射して見づらいけど、下段にあるのはミシンだと思います。
修道女は、自分たちで衣服をつくろったり、あるいは作ったりもしていたようです。
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下段には、赤ちゃん用かと思わせるような小さな靴下やレース編みがありますね。
明らかに、修道女が自分で身につけるものではない。
せんべいやハーブと同様、こうした手芸製品もまた、外貨を稼ぐ手段になっていたことを思わせます。

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修道女が着ていたと思しき服も展示されていました。
こうした衣服も、自分たちでつくっていたのかな。
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さらに守備力の高そうな(?)服も。
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これはさらに強そうな……きっと敵の魔法とか跳ね返せるぞ!笑

ミシンや衣服の「衣」、かまどやせんべいの「食」、そしてたくさん見ることができる居室の「住」。
このように、ここでは修道女たちの生活に必要だった「衣・食・住」をすべて垣間見、思いを馳せることができるわけです。

そのほかの設備も、紹介しましょう。

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大聖堂です。
日曜の朝にミサを行ったり、祝日には祭典を開いたりしたことでしょう。

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こちらは、共同の浴室。
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そこそこ大きな浴槽(プール?)がありました。

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こちらは、みんなで洗濯をする場所だったようです。

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大食堂。
かまどは各居室にあったりするんだけど、朝ごはんとかはみんなで祈りを捧げてから食べていたのかな?

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楽譜を展示してある部屋も。
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こちらは、古いピアノ。
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中央に立てかけてあるものには、よく見ると弦が張られていた形跡が。
ハープのような楽器だと思われます。

おそらく賛美歌がメインだとは思いますが、この修道院から出られない修道女にとって、音楽は心の慰みになったことでしょう。

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ここは、懺悔(ざんげ)室。
自分ひとりでは抱えきれない秘密や罪を、壁の向こうのひとに告白して許しを請う場所です。
壁の向こう側でそれを聞く人は、この場で聞いたことについては、絶対に他人に漏らしてはいけません。
この懺悔室、キリスト教の教会などにはよくあります。

ここからはまた私の妄想ですが、外部の人が修道女にたいして懺悔することができたら、外部の人にとってはとても「好都合」だったはずです。
「懺悔室での告白の内容は、他人には漏らさない」とは言っても、そこは人間のやること。
いつかどこかで、それこそ酒のイキオイとかで、うっかり漏れてしまう可能性は否定できない。
その点、修道女にはどんな秘密を話したところで、一生外には出てこられないんだからね。
安心して懺悔できるってものです。

再三にわたって「修道女は外には出られない」と書いてきましたが、外界との連絡が一切シャットアウトされるわけではありません。
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ここが唯一、外部の人と話せる場所でした。
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木の格子が二重になっています。
まるで刑務所のようですね……ちょっと冷たさを感じる場所でした。

「修道女の生活」に関する設備のほか、敷地内にはこんなところもあります。
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おそらく、キリスト教信者から寄進されたと思われる絵画や宝物を展示してある区画です。
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きらびやかな宝物を前に、思索に耽るたむ。

この区画は最後に見たのですが、ずっと「清貧」を重んじる修道女の生活に思いを巡らせていただけに、いきなり金ピカの物を見せられてもピンと来ませんでした。

サンタ・カタリーナ修道院、前回・2003年のときには入場料(2014年現在は35ソル)をケチって見なかったのですが、今回は見に来て本当によかった。
人によって好き嫌いがあると思うので、万人に勧められる場所ではないけど、アレキパに来たなら行ってみるのもいいと思います。

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たむ、おつかれー!!