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災難続きのサンパウロ帰還

こんにちは、ひでです。

日本代表がコロンビア代表に完敗を喫し、ブラジルW杯の終戦を迎えた夜。
クイアバから、長距離バスでサンパウロへと向かいました。
所要時間は、約29時間。

夜が明けると、窓の外にはあいかわらず雄大な景色が広がっています。
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綺麗だなぁ、といつも通り眺めていたのですが、目を凝らしてみると……おや、あの土塊は?

と思っていたら、こんなにたくさん!
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蟻塚!
日本じゃなかなか見られない風景ですね。

バスの車内はほとんどコロンビア人の若者で、前の方の席では延々と酒宴が催されていたようです。
私は後ろの方の席だったので直接的なチョッカイは出されずに済んだのですが、彼らの歌声は車内に響き渡っていました。

夕暮れ時、ふと立ち寄ったガソリンスタンド。
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と、長距離バス。
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私にとってはもう見慣れた風景だけど……たまにはこんな写真を載せるのもいいよね。

まぁそんな感じで平和にサンパウロへ向かっていたのですが……事件は、2日目の早朝に起こりました。
目が覚めて、スマホのGPSで「そろそろ着くかな?」と調べてみたら……なんとサンパウロから逸れている!
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北西のクイアバから南下してきたバスは、カンピーナスという街でルートを外れて、サンパウロではなくリオデジャネイロに向かっていたのです。
このバスは、サンパウロに立ち寄ってからリオに行くバスのはず……どうなってんだ!?
慌てて運転手に詰め寄るも、ポルトガル語では要領を得ません。
私が持ってるのはサンパウロ行きの切符だし、バスの前面の窓ガラスにも「サンパウロ、リオデジャネイロ」と行き先が明記された紙が張ってあります。
にもかかわらず、運転手はサンパウロに戻る気は無い。
仕方が無いので、近くのバス停で降ろしてもらい、別のバスでサンパウロに戻ることにしました。
……こんな事態は、今回の旅はもちろん、2003年のときにも無かったのに……。

不幸中の幸いというべきか、「タウバテ」という街のバス停から、すんなりとサンパウロ行きのバスに乗ることができました。

ほとんどの乗客はそのままリオに向かっていきましたが、あと二人、同じ災難に巻き込まれた被害者がいました。
一人は日本人、一人はコロンビア人。
日本人とは、サンパウロのバスターミナルで写真を撮りました。
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彼・イタクラ氏とは、バスがルートを外れる前から一緒に食事をしたりしていました。
不測の事態に巻き込まれたけど、一人じゃなかったから精神的に余裕を保てて良かった。

この後は地下鉄で、荷物を預けてあるサンパウロの宿「Pousada Perdizes」に戻るだけ。
しかし折悪く、ちょうど通勤ラッシュの時間帯でした。
満員の地下鉄はスリに遭いそうで嫌だな……と考えながら、リュックを前に回し、右手で右後ろのポケットに入れた財布、左手で左前に吊してあるベルトポーチ(クレジットカード入り)を押さえて乗っていました。

途中の駅でイタクラ氏と別れ、乗客も少なくなり、財布とベルトポーチを守り切って「やれやれ、疲れたなぁ」と一息ついたとき。
この日、2度目の異変に気付きました。

スマホが無い!!

スマホは、財布ともベルトポーチとも別の場所、ベルトの右腰のあたりに吊した専用ケースに入れていました。
……やられた……。
上の、日本人2人で撮った写真を見てもらえれば分かるように、スマホ専用ケースはジャージの下に隠れていたはず。
それなのにスラれたということは、恐らく電車に乗る前から狙われていたということでしょう。

スマホの写真はあまりバックアップを取っていなかったので、ナタウの宿の外観の写真も、ギリシャ戦の前に助けてくれた青年の写真も、中川くんと一緒にリベルダージで食べた日本食ビュッフェの写真も、無くなってしまいました。
……無念……。

つい数時間前、長距離バスで危うくリオまで連れていかれるところを、GPS機能で救ってくれたスマホ。
守ってあげられなくてごめんよ……。