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ギリシャとドロー

こんにちは、ひでです。

ワールドカップ日本代表は、2戦目のギリシャ戦でスコアレスドロー。
前半で相手に負傷者や退場者が出て、優位に立ったかのように見えましたが、逆に守りを固められてしまい、崩しきれませんでした。
2試合終えて勝ち点1というのは苦しい状況ではありますが、初戦に負けた段階で「3戦目は勝つしかない」というのはほぼ決まっていたので、そんなに変わってはいません。
むしろ「負けなかっただけ良かった」とポジティブに考えることもできなくもない。
危険なシーンも結構あったしね。
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いずれにせよ、私たちにできることは応援しかありません。
がんばれ日本!

さて、私の当日のことを書いておきますね。
実は、スタジアムに着くまでにかなり苦労しました……写真撮ってる余裕が無かったので文章ばかりになってしまいますが、お許しください。
だいぶダラダラ書いてしまったので、読むのが面倒な方は、下の方の動画のところまで飛ばしてもらってOKです。笑

まず前日、たむ&中川キャプテンとシュハスカリアに行ったときに「試合が19時キックオフだから、余裕を見て17時にスタジアム集合」と約束していました。
それに間に合うように、16時くらいにナタウの宿を出発。
出発時には、忘れ物がないかどうかを入念にチェックしました。
日本代表ユニを着て、タオルマフラーを首に巻き、メインカメラ「G12」ウエアラブルカメラ「AS100V」も持った。
よーし準備万端、行くぜ!

宿からスタジアム「アレナ・ダス・デュナス」までは30分くらい。
試合のために混雑していたとしても、1時間あれば十分に着けるはずです。
日本では遅刻魔の私ですが、こっちではけっこう時間を守っています。笑
携帯とか通じないからね。
おっ、路線バスも来たぞ。
これは順調に行けそうだ!

……と、ここまでは鼻歌まじりでした。
しかし、路線バスがだいぶ走り、そろそろスタジアムが近づいてきたかな……というあたりで、致命的なミスに気付いたのです。

チケット忘れたー!!!

さっきの忘れ物チェックは何だったんだ!?
いやいやいや、待て待て待て、落ち着け落ち着け。
時間はまだ16時半、タクシーを拾ってダッシュで戻れば、17時半にはスタジアムに着けるはず。
30分くらいの遅れなら、たむ&中川キャプテンともきっと合流できるだろう。
落ち着け、まだ大丈夫だ。

すぐに路線バスを降りてタクシーを探しましたが、その付近では見当たりません。
どこか大通りに出るべきだけど、どっちに行けばいいんだろう。
ちょうど身なりの良さそうな若者がいたので、カタコトのポルトガル語で彼に聞いてみました。
「タクシー、どこ?」。
こんなに短いセンテンスなのに、私の意図がうまく伝わらないのか、彼はしばらく考え込んだ後に「ついてこい」と身振りで示しました。
大通りから外れて、路地裏のほうへ。
……大丈夫かな……?
うーん、でも悪いやつじゃなさそうだし、今日は現金もそんなに持ってないし、何より時間がない。
OK、ついていくから、早くタクシーをつかまえられそうな場所に連れていってくれ!

5分ほど歩くと、彼は一軒の家に入っていきました。
わりとキレイな車が停まっていて、中流階級っぽい家。
そこは、彼の家でした。
おお、キミの車で連れてってくれるの!?
これはありがたい、それじゃ早速お願いします!
……とカタコトのポルトガル語で急かすも、彼は「ちょっと待って、今すぐは無理だから、家に入って少しだけ待ってて」と言います。
ふむ、車の鍵とか免許とかを取ってくるんだろうか。
こういう「一般人の家」ってあんまり入る機会も無いし、少しだけ入らせてもらおう。

入ってすぐの部屋で待たせてもらったのですが、日本の家とはだいぶ違う雰囲気でした。
広さは四畳半ほどで、入口のすぐ左側に2~3人が座れるソファー。
その正面には32インチくらいのテレビ、その下のラックに大きめのパソコンとスピーカー。
ソファーに座って左側、入口の正面にあたる壁には、キリスト教の祭壇のようなものが大きくスペースを取っています。
日本の仏壇のようなものなのかな?
玄関のそばにあるのは、家を出るときや、帰ってきたときにお祈りするためだろうか。
宗教的なものなので、写真を撮るのは失礼にあたるかもしれないと思い、部屋の写真は撮っていません。

10分くらい待たされ、私がヤキモキしていると、やっと彼が出てきました。
手には、見慣れないサッカーチームのユニフォーム。
少し穴が空いてたり、袖がほつれたりはしてるけど、けっこう立派なユニフォームです。
彼は私にそれを差し出して「プレゼントだ」と言いながら、ニオイを気にしてコロンまで掛けてくれています。
……え、いったいなぜ……?

よく分からないけど、どうやら純粋な好意で言ってくれているらしいので、ひとまず受け取りました。
よく分からないけど、ありがとう!
そして送ってくれるなら、頼むから急いでくれ!
と焦る私に応えて、彼は私を車に乗せてくれました。
おー、まじでありがとう!

……ところが残念ながら、彼には私の「チケットをホテルに忘れた」という状況は伝わっていませんでした。
うーむ、私なりに頑張って伝えたつもりだったんだけど……。
彼が私を連れてってくれたのは、なんとスタジアムの近くだったのです。
今になって振り返ると、私の「今、チケットが無い」というアピールは「チケット持ってないから、一緒にスタジアムの近くでダフ屋でも探そうぜ」という意味に聞こえたのかもしれない。
ちっがーう!!

スタジアム近辺には観戦に向かう人がたくさんいたけど、警備のために道路は通行止めになっており、車はパトカーしか通っていません。
こうなったら、彼とはいったん別れて、タクシーで宿に戻ろう。
そのへんの警察官に「タクシーはどこにいる?」と訊ねました。
……まぁ冷静に考えるとオカシイよね、スタジアムは歩いて行けるくらいすぐ近くなのに「タクシーに乗りたい」って。
「この日本人は何を言ってるんだ? スタジアムはすぐそこだ、歩いて行けよ」ってなるよね。笑
まったく会話が噛み合わないところに、英語の分かる別の警察官が来てくれました。
助かった、これで事情を説明できる!
「チケットを忘れちゃったから、リオ・ブランコ通りの『Hotel Natal』まで戻りたいんだ」。
そのとき、車で連れてきてくれた若者は、まだ私の隣にいました。
警察官の通訳のおかげで、ついに彼も私の状況を理解してくれました。
彼は「そうならそうと早く言えよな!」とばかりに、車で(かなりのスピードで!)私を宿まで連れていってくれました。

ところが、ここで新たな問題が発生。
ガソリンメーターが「E」を指しているのです。
おいおい、ここでガス欠は勘弁してくれよ……よし、これまでの御礼も兼ねて、私がガソリン代を払おう。
そうそう、そこにスタンドがあるね、入って入って。
いくら払えばいいかな、20レアルくらい? それとも50レアル?
50レアルね、だいぶ世話になったからOK、それくらいは払うさ。
……あれ、50レアルで半分くらいしか入らないの……ブラジルの物価の高さは思い知らされてたけど、ガソリンもお高いのね……。

だいぶ長くなりましたが、こんな騒動を経て、なんとかスタジアムに到着!
彼とは連絡先を交換したかったけど、Facebookもやってないらしく、入場ゲートで別れてそれっきりです。
残念ながら、写真も残っていません。
本当にいいやつだったなぁ。
もらったユニフォーム、いま調べたら「ABC FC」という地元のクラブチーム(2部)のもののようです。
ありがとう、着させてもらうよ。

時刻は、たむ&中川キャプテンとの約束の17時どころか、既に18時半くらいになっていました。
待ち合わせ場所を少しうろついてみましたが、もちろん2人はいません。
ごめんよ、2人とも。
こんな感じで、かなりアタフタしてました。

はー、前置き(?)が長かった。
とにかく、親切な青年のおかげで試合には間に合った!
ゴソゴソとカバンの中から、ウエアラブルカメラを取りだして装着。
入場ゲートから客席にいたるまで、ちょっと長めの動画を撮ったのでアップしました。

【Youtube】20140619 01 W杯・日本vsギリシャ、客席へ。

企業ブースとか屋台とかのある賑やかなゾーンは過ぎた後なので、少し閑散としてるように感じるかもしれませんが、会場の様子が少しでも伝われば。
見てもらえれば分かるように、私が客席に着いたときにギリシャ代表の選手紹介をしており、その前に行われた日本代表の選手紹介は見られませんでした。

あともう一つ、1戦目のときには見逃した「選手入場」、今回はちゃんと見ることができました。
これも動画で。
選手入場・国歌斉唱・キックオフまでをノーカットでアップしたので、少し長めの動画になっています。
あの有名な入場曲「アンセム」もしっかり撮れています。

【Youtube】20140619 02 W杯・日本vsギリシャ、選手入場・国歌斉唱・キックオフ。

国歌斉唱のときの写真も、ぺたり。
上の動画に、写真を撮ってるときの様子も映っています。笑
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試合前の円陣。
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この後、試合の結果は、冒頭に書いた通りです。
ギリシャとスコアレスドローに終わり、日本は厳しい状況となりました。
なかなか縦パスが入らなくて……とかの試合分析は、専門家の方々におまかせします。

残念ながら、勝てなかったけど。
さらば、アレナ・ダス・デュナス。
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試合後、多くの観客が帰途につくなかで、奇跡的に中川キャプテンを発見。
待ち合わせ場所に行けなかったことを謝ったほか、翌日に同じ飛行機でサンパウロに向かうので、空港で待ち合わせることを話したりしました。

はー、それにしても。
かえすがえすも、車で送ってくれた彼は、本当にいいやつでした。
直接伝えるすべは、もう無いのかもしれないけど。
まじでありがとうなー!!!