こんにちは、ひでです。

前回書いたように、ワールドカップ日本代表の第3戦が行われる街「クイアバ」まで、当初はサンパウロから長距離バスで行くつもりでした。
しかし、23日朝8時発の長距離バスは売り切れ。
さらに、前日に窓口の人に確認したつもりでいた「昼12時発のバス」は存在すらしていませんでした……おいおい兄ちゃん、昨日は「今日はパソコンが不調だから予約ができない。明日の12時に来い」って言ってたじゃん……あれは何だったんだよ……。

慌てて周辺のバス会社を当たってみると、サンパウロを16時に出発するバスがありました。
でも、そのバス会社の人によると「クイアバ到着は（サンパウロ時間で）18時過ぎ」とのこと。
試合開始時刻は、クイアバの現地時間で16時です。

サンパウロとクイアバは時差が1時間あるとはいえ、サンパウロ時間で17時にキックオフ。
とても間に合いません。

ただし私のこれまでの感覚では、ブラジルの長距離バスは到着予定時刻よりも早く着くことが往々にしてありました。
もしかしたら、16時サンパウロ発のバスでも間に合うかもしれない。
ちなみにガイドブック「地球の歩き方」には、サンパウロ↔クイアバ間はどれくらいって書いてあるかな？？
どれどれ……と見てみると、なんとページによって表記がまちまち。
P340には「サンパウロ発クイアバ行き、24時間」。
24時間で着くなら、16時発でもギリギリ間に合う。
P168には「サンパウロからの長距離バスは所要約26時間」。
26時間かかるなら、間に合わない。
P343には「クイアバ発サンパウロ行き、29時間」。
これは逆ルートではあるけど、完全にアウト。
……うーむ、ここは24時間で着くことに賭けるべきか？？
しかし丸一日バスに揺られて、ようやくクイアバに着いたら試合が終わってた……なんて悲惨な事態もありうる。
そもそもバス会社の人が「18時過ぎに着く」って言ってるんだから、普通に考えたら間に合わないだろう。

今回の旅ではなるべく飛行機は使いたくないけど……そうも言ってられない状況です。
飛行機なら、今日・23日か、遅くとも明日・24日の午前中に飛べれば大丈夫。
サンパウロには空港が2つあるので、どっちの空港に行くべきか。
速攻でインターネットカフェに駆け込み、飛行機の空き状況を調べました。
……ところが、サンパウロ発クイアバ行きの飛行機は、見事に全席売り切れ！
ここに来てようやく、私も事態の深刻さに気付きました。
こ、これは本格的にヤバイぞ！！
ギリシャ戦の「チケットを宿に置き忘れた」なんてレベルのピンチじゃない。
まさか……クイアバまで行けないのか！？

このとき、私の頭の中に浮かんだ最初の選択肢は「レンタカーを借りてクイアバまで運転する」。
でも、長距離バスで24時間以上掛かるところを、自分一人で走りきるのはかなり厳しい。
しかも左ハンドル・右側走行のブラジルで、高速道路を飛ばしていくのは……さすがに、自殺行為に近いんじゃないか。

次の選択肢が「クイアバ行きを諦める」。
サンパウロのパブリックビューイング（FAN FEST）の会場は、東洋人街リベルダージのすぐ近く。
日本から来たサポーターだけでなく、多くの日系人も駆けつけるはず。
そこに混ざって観戦するのも、悪くはないんじゃないか。
でも、せっかくチケット持ってるのに……さすがに、そう簡単には諦めきれない。

第三の選択肢が「空港に行ってみる」。
インターネットの予約状況は満席だったけど、まずは空港に行って確認してみるべきだ。
やっぱり満席だったとしても、「キャンセル待ち」って手があるんじゃないか。
私は飛行機のキャンセル待ちは未経験だったのですが、それが最も可能性のある方法に思えました。

そこで2つある空港のうち、クイアバ行きの便数が多いグアルーリョス空港へ。
ここは、6月1日のブラジル入国の際に使った国際空港です。

さっそく航空会社の窓口で、クイアバ行きの便について尋ねると「（もう売り切れて）無い」と突っぱねられます。
そうか分かった、じゃ「キャンセル待ち」ってのをしたいんだけど、どうすればいいのかな？
……駄目だ、言葉が通じない……さすがに航空会社なので英語が分かる人も多いんだけど、それでも通じない。
しょうがない、次の航空会社に行くか……。

そうやって流れていき、私の話を理解してくれたのが、この「GOL航空」の女性スタッフでした。
そのスタッフがとても親切にしてくれて、ほかの航空会社の窓口まで一緒に行って、事情を説明してくれたりしました。
本当にありがたかった。

連れてってもらった中で、最も可能性がありそうだったのがこの「TAM航空」でした。
私はまったく知らなかったんだけど、キャンセル待ちってのは「あらかじめ別の便のチケットを買っておく」のが条件らしく、私はTAM航空の窓口担当者に言われるがままに試合翌日（6月25日）の航空券、それも「サンパウロ→ブラジリア→クイアバ」と一つ余分に空港を経由するルートを購入。
その航空券の日程を、前ずらしで試合当日（6月24日）に変更する、という手続きを取ることになりました。
ただし事前に調べていた通り、6月24日の便は満席。
もしキャンセルが出ずに日程変更ができない場合、いったん購入した航空券は払い戻しができるとのこと。
航空券は約900レアル≒4万5,000円でしたが、通訳してくれたGOLスタッフによると「日程変更できなかったら100％返金してもらえる」という話でした。

私のイメージでは「これであとは『キャンセル待ちリスト』ってのに登録しておいて、24日の便にキャンセルが出たら自動的に繰り上げ当選みたいな形（？）になって、クイアバに行ける」ものだと思い込んでたのですが、どうもそうじゃないらしい。
その仕組みがよく分からないまま、TAM航空の通常窓口と、それとは別の場所にあるキャンセル待ち受付窓口を行ったり来たりしていました。
5往復くらいしたんじゃないかなぁ。
どうやら「乗りたい便の4時間前に窓口へ行って日程変更の手続きを試み、それでダメなら次のチャンスを待つ」という仕組みのようでした。

結局、23日はそのまま空港泊。
不安で、ほとんど眠れなかったように記憶しています。
試合当日・24日の早朝4時にゴソゴソ動き出し、朝8時発のキャンセル分を狙ってみるも、ダメ。
残るは、昼12時発の便のみ。
これでダメなら、もう諦めるしかない。

最後のチャンスに賭けて朝8時に窓口へ行ってみると、カウンターの向こうの受付担当者がこれまでとは違うパソコン操作を始めました。
おや……？
そして出てきたのが、これ。

キャンセル待ち、成功！！
おおおおっしゃー！！！
航空券が取れただけで涙が出たのは、生まれて初めてでした。笑

この23日～24日朝までは本当にずっと不安な状態で、この航空券が取れた後にようやく、空港の写真を撮ろうと思い至りました。
そのため、ここまで載せた写真は、実は24日朝に撮ったものです。

いやー、まじで良かった！
クイアバに行けるってだけで夢のようだ！
じゃここは一発、世界的に有名なあの店で、日本代表勝利の前祝いと行きますか！！

空港内のマクドナルド。
ちょっとチープな前祝いだけど……。笑

さて、ここで一つ訂正があります。
以前、サンパウロのリベルダージに行った際、マクドナルドをチラッと覗いたことがありました。
そのときの記事で「ワールドカップに便乗！ 世界のハンバーガー、どれが一番旨い？ みたいな企画はやってませんでした」と書いたのですが……すみません、やってました！

日本のマックのような大袈裟なアピールをしていないので、チラッと覗いただけじゃ分からなかった。
ブラジルのワールドカップキャンペーンでは、曜日ごとに違う国のハンバーガーが食べられるようです。

しかし私は、今回の旅ではブラジル初のマクドナルド。
味と価格を調査する意味でも、最もスタンダードなメニューを選びました。

普通のハンバーガー、フライドポテトSサイズ、コカコーラSサイズ。
チープな前祝い……笑。
でも、これで16レアル≒800円です。
私がふだん食べてる食事と比べると、かなり高価な部類に入ります。
味は、日本とまったく一緒でした。

さて、マックの調査（？）も終わったところで。

いよいよクイアバに飛ぶぞー！
いやー、まじでクイアバまで行けるだけで夢みたいだ！！
コロンビアに勝って、決勝トーナメントに行くぞ－ッッッ！！！